増え続ける行政システムの運用経費。DX推進プランに基づく「全庁最適化」の現状と今後の課題とは?

システム経費

川崎市では、限られた経営資源の中で持続可能な行政サービスを実現するため、DX推進プランに基づいたシステム最適化を進めています。一方で、国の進める標準化に加え、AI活用やクラウド利用の拡大により、情報システムの数や維持管理経費の増加が課題となっています。

本稿では、今後の持続可能な行政運営に向けたシステム運用のあり方について、市議会で行った質疑と市の見解をご報告いたします。

参照:地方公共団体情報システム標準化基本方針 デジタル庁

情報システム標準化基本方針

国の「情報システム標準化基本方針」は、全国の自治体で個別に構築・運用されている住民記録や税務などの基幹業務システムを、国が定めた標準仕様に合わせ、ガバメントクラウド上で運用することを求めるものです。これにより、システムの共同利用によるコスト低減や、行政手続きのオンライン化を加速させることを目的としています。

デジタル庁:地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化

CHECK

システム経費の推移

令和6年度システム状況調査結果(システム経費の推移)

川崎市におけるシステム数の推移は、令和4年度に212、令和5年度に220、そして令和6年度には256システムが稼働しており、増加傾向にあります。また、システム経費については2024年度時点で総額165億円に達しており、そのうち保守運用費やクラウド利用料などの「経常経費」は125億円を占め、年々増加している状況です。

議会での質疑応答

システム運用経費の増加要因と認識について

システム数および運用経費の増加要因をどう想定し、行政運営にどのような影響があると考えているか伺いました。

答弁を確認する

人件費や原材料費の高騰、技術の高度化・多様化への対応により、事業者への委託費用や機器の賃貸借費用が増加しており、今後もこの傾向が続くと見込んでいます。

議会での質疑応答

全庁的なシステム最適化と効果検証の仕組みについて

コスト最適化に向けた全庁的な取り組みと、導入後の利用実態や費用対効果の検証をどのように進めていくのか伺いました。

答弁を確認する

情報管理部門による予算審査や費用調査を通じて最適化を図っています。今後はさらに機器の統合やライセンスの一括調達を推進し、導入前の審査と導入後の効果検証を継続することで、適正なシステム導入に努めます。

POINT

要点まとめ

  • システム数の増加: 令和4年度の212システムから令和6年度には256システムへと増加しています。
  • 経常経費の増大: 委託費用やクラウド利用料など、年々増加する経常経費が行政運営の課題となっています。
  • 全庁的なコスト削減: 仮想基盤の構築やライセンスの一括調達など、情報管理部門が主体となって全庁的な最適化に取り組んでいます。
  • 効果検証の徹底: 全ての案件に対する事前審査に加え、費用推移の可視化と適正性の確認を行っています。

SUMMARY

持続可能なシステム運用に向けて

今回の質疑を通じ、システム数の増加と運用経費の増大という現状が改めて確認されました。システム運用は各局の業務所管課が主体であるため、費用対効果の確認方法にばらつきが生じないよう注意が必要です。

今後も導入時の審査にとどまらず、導入後の定期的な検証を行い、その結果を可視化した上で、全庁的な最適化に繋げていくことを強く要望いたします。

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川崎市DX推進プラン

川崎市では、労働力人口の減少やデジタル技術の進歩を背景に、市民サービスの向上や更なる業務効率化をめざし、「川崎市DX推進プラン」を策定し、取組を推進しています。

川崎市公式サイト:川崎市DX推進プラン

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