地域実情を反映させた公園整備を!「街区公園」の配置基準見直しと次期計画への質疑

街区公園

「子どもたちが安全に遊べる場所が足りない」「災害が起きたとき、この密集地でどこに逃げればいいのか……」

そんな地域の切実な声に向き合うとき、避けて通れないのが身近な「公園」の存在です。実は現在、川崎市が定めている公園の整備基準をめぐり、現場の実態との間に大きな乖離が生まれています。データ上は「足りている」とされていても、現場に足を運ぶと全く機能していない。そんな「数字の落とし穴」が浮き彫りになりました。

今回は、令和7年第4回定例会にて私が行った、地域防災と安全なまちづくりの要となる「街区公園」の配置基準見直しに関する質疑と、今後の計画改定に向けた市の答弁についてご報告いたします。

街区公園とは?

皆様のご自宅から歩いて250m程度の距離にある公園を「街区公園」といいます。子どもたちの遊び場であると同時に、災害時には身を守る避難スペースとしての重要な役割を担っています。

川崎市公式サイト:PDF・公園の種別

ISSUE

現状の問題点

川崎市は「緑の基本計画」で、身近な公園の配置目標を定めています。その基準は「小学校区を構成する町丁目の3分の2以上に公園が配置されるよう努める」とされています。この条件を満たしていない地区は「優先配置地区」として位置づけられており、現在市内に28カ所存在します。平成20年の計画策定以来、市はこの基準に基づき整備を進めてきましたが、この「小学校区単位で3分の2」という数式的な基準が、現場の実態との乖離(かいり)を生んでいます。

  • 面積・機能を無視したカウント: 公園がどんなに小さく、機能が十分に発揮できなくても、地図上に「1カ所」あればその町丁目は整備済み(充足)と扱われてしまう。
  • 数式的な基準による見落とし: 「町丁目の3分の2」という数式だけで判断するため、本当に公園や避難スペースが不足している深刻なエリアが「優先配置地区」から外れてしまう。
  • 地域実態とのミスマッチ: 防災上の課題を抱える住宅密集地などの実情が、整備計画に正しく反映されない仕組みになっている。

実例

浅田1丁目「浅田第二公園」の現状

川崎区の浅田1丁目の例を挙げると、この地区は住宅密集地で、火災などの延焼を防ぐための「不燃化重点対策地区」にも指定され、避難スペースや子どもの遊び場が不足しています。

この地区には「浅田第二公園」があります。しかし、ここはわずか50平方メートル(0.005ha/約15坪)程度の極めて小規模な公園です。 現行の基準では、これだけ小さな公園であっても「1カ所」としてカウントされるため、この地区は「充足地区」と扱われ、優先配置地区にも指定されていません。

不燃化重点対策地区とは?

大規模地震発生時に人的・物的被害が大きいと想定される地区のことで、「川崎区小田周辺地区」と「幸区幸町周辺地区」を不燃化重点対策地区として指定しています。「木造住宅密集地域」などにおいて、行政が指定し、優先的に燃え広がらない街づくりを進める区域です。

川崎市公式サイト:不燃化重点対策地区における取組について

議会での質疑応答

「立地・機能・規模」を踏まえた再検討について

人口密集地や避難スペースの不足など、課題を抱える地域において、現行基準が実態を十分に反映していないのではないかと考えますが、市の見解を伺います。

答弁を確認する

これまでは「子どもや高齢者でも歩いていける範囲」に公園を整備することとして進めてまいりました。一方で、小規模で画一的な公園が多いなどの課題もあることから、これまでの「数」を中心とした配置について、今後は立地や機能、規模を踏まえた再検討が必要になっていると考えているところでございます。

令和8年度の「緑の基本計画」改定に向け、論点整理や個別施策の検討が進められる重要な時期にあります。次期計画では町丁目ごとの配置率ではなく、地域の実情に即した公園のあり方を検討項目に組み込むべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁を確認する

改定にあたりましては、これまでの施策の成果や課題等を踏まえ、地域の課題解決につながり、みどりの価値を実感できるまちづくりに向け、公園の最適配置や機能分担などについて検討してまいります。

POINT

要点まとめ

  • 「数」から「質・実態」への転換: 市側も「数」を中心とした現行ルールの課題を認め、今後は立地・機能・規模を踏まえた再検討が必要であるとの認識を示しました。
  • 次期計画への組み込み: 令和8年度の「緑の基本計画」改定において、地域の課題解決に直結する「公園の最適配置」や「機能分担」を検討していく方針を確認しました。

SUMMARY

最後に

この答弁を受け、私は今後基準見直しを行う際、浅田1丁目の公園機能の不足を踏まえ、当該地区を街区公園優先配置地区の検討対象に含めることも検討するよう強く要望しました。

基準の見直しは「安全・安心なまちづくり」の一歩です。そこに暮らす一人ひとりの安心につながる身近な公園づくりを目指し、これからも引き続き取り組んでまいります。

MORE INFORMATION

関連情報

CHECK!

川崎市緑の基本計画

川崎市のみどりの保全や公園の整備・管理に関する長期的な方針を定めた基本計画のページです。令和8年度の改定に向けた動きや、これまでの取り組みの成果などがご覧いただけます。

川崎市公式サイト:緑の基本計画

CHECK!

密集市街地対策・不燃化重点対策地区

火災の延焼を防ぎ、地域の防災力を高めるために指定されている重点対策地区の概要や、地域の避難スペース確保の取り組みについて解説しているページです。

川崎市公式サイト:不燃化重点対策地区における取組について

  • URLをコピーしました!