制度はあるのに機能していない?川崎市の「障害者優先調達」の現状と課題

今回は、本会議で行った「障害者優先調達(障がい者の雇用・受注機会を確保し、経済的な自立を支援する制度)」についての質疑内容をご紹介します。
昨年の一般質問に引き続いて、実際の受注体制はどうなっているのか、現場で本当に制度が機能しているのかについて市に問いました。調査結果から見えてきた課題と、これからの支援のあり方についてお伝えします。
障害者優先調達とは?
障害者優先調達とは、障害者就労施設などで働く方たちの経済的な自立を応援するため、市などの自治体が率先して物品やサービスを発注していこうという仕組みです。
川崎市による障害者就労施設等からの物品等の調達方針CHECK
今回指摘した主な課題

昨年の一般質問を受けて市が実施してくれた「発注検討の状況調査」の結果を見ると、次のような深刻な課題が浮かび上がってきました。
- 「発注できなかった」が圧倒的多数: 令和6年9月の調査では、発注検討の結果が「発注できなかった」というケースが680件にものぼりました。
- 理由は「制度を知らなかった」: 発注できなかった理由の中で最も多かったのが、「優先調達の方針を知らなかった」という声(217件)でした。
- 現場で機能していない実態: つまり、制度や通知という形だけが行政の中に存在していても、実際の現場レベルでは十分に活用されず、機能していない状況が浮き彫りになりました。
議会での質疑応答
発注検討の状況調査の結果を見て

調査で「知らなかった」という声が多いなど、制度が現場で機能していない状況への見解と対応は?
答弁を確認する
昨年度の調査結果を考えますと、各所属まで制度の趣旨が十分に行き届いておらず、改めて丁寧な周知と各局区における主体的な取組の促進が必要であると認識しております。今後は、必要な情報提供を行うとともに、新たな調達が見込める場合などに関係局と一緒にヒアリングを実施し、個別具体的な提案を行うなど、さらなる働きかけを行ってまいります。
議会での質疑応答
障害者施設へのアンケート結果を見て

しごとセンターに加入している事業所が20事業所、未加入の事業所が14事業所ありました。しごとセンターに加入していない理由につきましては「現状で仕事が足りている」が約4割と最も多く、「センターの存在を知らなかった」が2割となっています。しごとセンターのアンケート結果も踏まえ、実務ベースの支援をどう進めていくのか?
答弁を確認する
ホームページ等で業務分類ごとに情報を掲載しておりますが、発注する側がより参考となるよう項目の整理や「標準処理期間」の追加などの工夫を行い、庁内及び企業からの発注が促進されるよう分かりやすい情報発信に努めてまいります。また、研修の機会などを通じて加入メリットを伝え、センターへの加入促進や受注対応の強化に努めてまいりたいと存じます。
POINT
要点まとめ

- 調査の結果、「発注できなかった」が680件に上り、その大きな原因が「方針を知らなかった」という認知不足であることが分かりました。
- 制度が形骸化しており、制度として存在していても現場で実際に機能していない状況が課題です。
- 単なる形式的な通知にとどまらず、各局の担当者が実務ベースで制度の趣旨を理解し、実践できるような支援体制が求められています。
SUMMARY
制度が機能する運用実現に向けて
障害者優先調達は、単に通知を出すだけでは意味がありません。形式的な通知ではなく、各局の担当者が実務ベースで制度趣旨や流れを理解し、実際に活用できるような支援体制が不可欠です。制度が現場でしっかりと機能する運用を実現できるよう、今後も全庁的な取り組みをしっかりと見守り、働きかけてまいります!
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関連情報
障害者優先調達推進法
障害者優先調達推進法は、国や地方公共団体などの公的機関が、障害者就労施設等からの物品やサービス(役務)の調達を率先して進める法律です。障害のある方の経済的な自立を支えるため、平成25年(2013年)4月に施行されました。
川崎市障がい者施設しごとセンター
共同受注窓口(しごとセンター)は、川崎市から委託を受け、企業や行政からの発注を促進し、障害者施設・事業所に受注業務の適正な分配を行うなど、受注に係る調整業務を行っています。


